高校生活 第1話 入居

 私の名前は白鳥あいみ。今年からH立H商業高校に通う事になり、自宅から遠いのでアパートを借りる事になった。


あ「あ、ここか。えーと「ハイツスプリンター」ね。いい名前じゃない。でもママも良い所見つけたよね。月三万円で食事つきなんて。たしか去年出来たばかりだって言ってたから結構新しいんだな。まず大家さんから挨拶に行こう。」


 こうしてまずは歩いて5分のところにある大家さんが経営している小料理屋に行きました。


あ「すいませーん。今日からハイツスプリンターに入ります、白鳥あいみです。」
紺「こんばんわ。私がハイツスプリンターの大家の紺野あさ美です。でも、よくここがわかったね。アパートから結構離れてるのに」
あ「体験入学のときに母親とここに食事に来たのですぐにわかりました。」
紺「そうだったんだ。ところでまわりの部屋の人に会った?」
あ「いえ、部屋に荷物置いてすぐにここに来たので。後で挨拶には行きますけど。」
紺「そうなんだ。1階の102と103には作家さんと画家さんが入ってて、201があなたのへやでしょ。あと、202と203はあなたの同じ高校に通う子が入るから。たしか明日来るはずだよ。」
あ「はい、じゃあ今日は102と103に、明日202と203には挨拶に行きます。」
紺「でももうすぐ夕飯の時間だからここにいたほうが良いかもしれないよ。」
あ「じゃあそうします。」


大家さんに挨拶を済ませた私はもうすぐ夕食なのでここで他の2人に住人を待つことにした。


しばらくすると、


ロ「あさ美ちゃん、今日の夕食はなに?」
紺「あ、ロカさか先生。今日はカレーライスとオニオンサラダですよ。」
ロ「どおりでなんかいい匂いしてたわけだ。あれ、きみは誰?」
あ「どうも、201に引っ越してきました白鳥あいみです。よろしくお願いします。」
ロ「こちらこそ。」
あ「ところでロカさかっていうのは本名ですか?」
ロ「ペンネームだよ。フルでいうと「Rock a berry」、ロカさかというのは通称ね。」
あ「そうなんですか。でとなりに住んでる画家さんはどういう方ですか?」
ロ「面白い人だよ。名前はたしか「るのー」だったかな。なんかいつも4コママンガばかり書いてるけど、時々私の本に挿絵を書いてくれるんだよね。」
あ「そうなんですか。でも遅いですねるのーさん。もう6時過ぎているのに。」
ロ「そうだね、でもいつもの事だから。何かに熱中してるといつもこうだから気にしないでおいて。」
あ「はい。」
ロ「あ、夕食終わったらうちによってってよ。私の小説見せてあげるから。」
あ「はい、じつはわたし小説読むの大好きなんです。」
ロ「やっぱり。なんかそういう顔してるよ。」
あ「いつも友達に言われます。」


こうして私はロカさか先生とお話をしながら夕食を食べました。


ロ「じゃあ、あさ美ちゃんまた明日ね。」
あ「ごちそうさまでした。」
紺「じゃあまた朝食のときにね。」


こうして私たちは、アパートに帰りました。でも店を出てすぐに誰か入っていったような気がした。どこかで見た事あるような顔だった。



あ「でも、ロカさか先生の小説って面白いですね。特にこの「SEASONZ」は。」
ロ「でしょ。これはねまだ出版社にも見せてないものだから本として出るかどうかはわからないけどね。」
あ「十分に出せますよ。ただもう1話欲しいですけどね。」
ロ「うーん。私はもう他の作品に入っているからね。それはきついな。」
あ「そうですか。」
ロ「そういえば上の人来たみたいだね。」
あ「でもあさ美さんは202に入る人が来るのは明日だって言ってましたよ。」
ロ「どろぼうかな。」
あ「どうですかね。」
ロ「見に行ってみる?」
あ「そうしましょうか。」


なんか202号室(ロカさか先生の上の部屋)から物音がしたので見に行ってみました。


佐「だから違うんだって。私立じゃなくて公立の高校に入るの。」
桃「じゃあももと同じか。でもさ、あさ美お姉ちゃんに迷惑かけないでよ。一応もものいとこなんだから。」
佐「はいはい。さっき挨拶には行ったから。」
桃「明日入る予定が今日来たんだからもう迷惑かけてるじゃん。」
佐「あ、そうだよね。」


中から話し声が聞こえてきた。


あ「どうやら泥棒じゃなくて202に入ってくる人みたいですね。」
ロ「そうみたいだね。でも今の声どこかで聞いたような・・・。」
あ「とにかく挨拶に行きましょう。」


という事で挨拶に入ってみることにしました。


あ「こんばんは〜。201の白鳥あいみで〜す。」
桃「あ、誰か来たみたいだよちゃぷてん。」
佐「そう呼ぶな。まったくどこから覚えて来るんだか。はーい。」


返事か聞こえてドアが開いた。


佐「あ、どうも、202に入ることになった清水佐紀です。」
あ「どうも。誰かお友達でも来てるんですか。」
佐「あー。大家さんのいとこですよ。ももー。ちょっと来てー。」
桃「はーい。キャプテンどうしたのー?」
佐「このこが大家さんのいとこの嗣永桃子ちゃん。」
あ「どうもはじめまして。」
桃「どうも。嗣永桃子です。」
ロ「あいみちゃんばかり話してないで俺にも話させてよ。」
あ「あ、すいません。」
ロ「じゃあ、・・・あっ!」
桃「あ、ローゼン・メイデンさん。
ロ「またすごい間違え方したね。やっぱり佐紀ちゃんとももちだったか。」
あ「知り合いですか?」
ロ「うん。時々小説の題材にするのに色々取材したから。」
佐「でもなんでロリポップさんがここにいるんですか。」
ロ「なんでってここに住んでるから。」
佐「やっぱりここにするんじゃなかった。なんかいやな予感がしてたから。」
あ「でもいい人じゃないですか。小説読ませてくれましたし。」
佐「え?どんなやつ?」
あ「たしか「SEASONZ」っていう題名だったような。」
佐「あぁ。あの私が恥ずかしい思いをしたやつか。」
ロ「別に良いじゃないか。小説の中だけのことなんだし。」
あ「そうですよね。そうじゃないと読むほうも面白くない。」
佐「まあそうだけどね・・・」


こうして仲良くなった3人(?)はロカさか先生の部屋でパーチ−をすることになりました。


佐「それがさ、ロゼリアさんなんてひどいんだよ。わたしがサインを変えたのをいい事に「いろんなサインを考えてたのに!」とかいってくだらないの出してくるんだからさ。」
あ「どんなのがあったの?」
佐「たとえば、「Sushi Sashimi」とか、「死水殺気」とかさ、サインに出来ないやつばかりなんだよ。」
あ「でもいいじゃん。「志瑞崎」よりかは。」
桃「確かに。どこかに実際ありそうだもんね。」
ロ「俺も入れてよー。」
あ「だめですよ。今は女の子だけで恋の話してるんですから。」
佐(本当はロッキングチェア−さんの愚痴ばかりだけどね。)
あ「となりの部屋に行っててください。」
ロ「だって、もうるのーさん寝ちゃったから暇なんだもん。」
桃「じゃあもう寝ればどうですか?明日も早いんですし。」
ロ「じゃあそうしようかな。」
佐「珍しく素直ですね。」
ロ「いつもこうですー。じゃあ明日ね−。」
3人「おやすみなさーい。もうこないでねー。」
ロ(一応俺の部屋なんだけどな・・・)


こうして女の子3人のくだらない話は続き、結局夜が明けてしまいました。


あ「でもさ、すぐ隣に芸能人が住むなんて思いもしなかったよ。」
桃「たしか203には舞美ちゃんが来るはずだよ。なんか同じ高校にスポーツ推薦で入ったらしいけど。」
佐「隣は舞美ちゃんか。なんか楽しくなりそうだね。」
あ「そうだね。」
ロ(コンコン。)「あのー、そろそろ朝食の時間だから入れてくれない?いくらなんでも正装で行かないと行けないからさ。」
佐「今日なにかあるんですか?」
ロ「うん。「SEASONZ」の原稿を昇壇社に持っていくから。あ、あいみちゃんネクタイ取って。」
あ「はい。でも・・・その格好で行くんですか。たぶんどこかでつかまりますよ。」
ロ「大丈夫大丈夫。スーツはるのーさんのを借りる事になってるから。」
あ「じゃあいいや。」
佐「それじゃあ朝食食べに行きますか。ところでるのーさんは?」
ロ「まだ寝てる。たぶん昨日のビールで二日酔いだと思うよ。」
あ「そうですか。あ、私たちは朝食のあと高校まで行ってきますんで鍵貸してください。」
ロ「まだ居座る気?2階に自分たちの部屋があるんだから帰ってきたら部屋に戻りなよ。」
あ「だって、2階は1階と違ってワンルームだから狭いんだもん。」
佐「そうそう。ベランダはあるけどね。」
ロ「でも2階はひとりぐらし用に作ってあるんだから仕方ない。だから、鍵は貸さないよ。」
桃「いいもん。あさ美ちゃんから借りるから。」
あ「あぁ、その手があったか。」
ロ「その手って・・・」


 私たち4人は朝食を食べに行きました。


紺「あ、おはよー。今日の朝食はハムエッグとポテトサラダだよ。」
あ「おはようございます。昨日は騒がしくてすいませんでした。」
紺「別に大丈夫だよ。一応防音加工はしてあるから。」
佐「良かった。もしローブリーさんに聞かれてたらと思うと・・・」
ロ「佐紀ちゃん?なにか言った?」
佐「別に・・・。」(気付いてたのかな・・・)
紺「そう言えばあいみちゃん、昨日佐紀ちゃんに店の前で会わなかったの?」
あ「はい、誰か入っていくのは気付いてたんですが。」
佐「別にすれ違ったわけじゃないんだから会わないのは当然だと思いますよ。」
桃「でもこの3人が同じ高校に入るとは思わなかったよ。世の中って狭いんだね。」
紺「確かに、私もそれは思うよ。大学で小学校の友達に再開したときとか。」
あ「そういえばあさ美さん。どこの大学にいってるんですか。」
紺「ここの近くにある早稲田の分校だよ。」
桃「あさ美ちゃんって結構頭いいもんね。」
紺「そうでもないよ。大学に行けば私よりも頭のいい人がいっぱいいるんだから。」
桃「あさ美ちゃんより頭のいい人ってどんなひとなんだろう・・・」
ロ「それはいいから。早く朝食にしようよ。」
紺「そうだね。早く食べちゃってよ。」


こうして私の高校生活が始まったのであった。


to be continued